【無料DL】中高生の自作ゲームがすごい|東大寺学園情報研究部|独学プログラミングでアイワナ

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パソコンでゲームを作ってみたいな

いまやゲームは、受け身で遊ぶだけでなく、「ゲームを作る」ことに注目が集まっています。

 

おりしも「GIGAスクール構想」の実現化で、小中学生にも一人一台の端末配布がスタート。

戸惑う大人とは対照的に、パソコンやタブレットを使いこなしているお子さんも多いですよね。

 

そこで気になるのは、イマドキの中学生の

「パソコン系の部活」

30年前には存在しなかった(と思う)こんな部活は、
一体どんな活動をしているのでしょうか。

 

今回、学祭を通して実際にその活動をのぞいてきました。

 

結論からいうと、ここまでできるのか!と度肝を抜かれることばかり。

せいぜい初歩的なscratchで遊んでるのかな~・・・なんて完全にナメていました。

 

ピックアップするのは、全国有数の進学校・東大寺学園の「情報同好会」

なかでも、中学生が独学プログラミングで作ったとは思えない、ハイレベルで楽しい自作ゲームは必見です。

期間限定で無料ダウンロードできます!詳細は本文で)

 

この記事を見れば、現代の中高生のプログラミング実情がわかるとともに、「ゲーム=受け身の遊び」という古い概念から解き放たれますよ。

 

ママ

「パソコンやゲームに興味はあるけど、勉強のジャマになるんじゃ?」

なんて思いこんでいるあなたは、ぜひ最後までお読みください。

東大寺学園「情報同好会」文化祭ブース

体験コーナー

(追記:情報同好会は、2022年度末「情報研究部」に昇格しました)

お世辞にも華やかとは言えない、中高一貫の男子校。

なかでも「情報教室(パソコンルーム)」といえば、なおさら堅苦しいイメージがありました。(偏見です)。

ところが、一歩入るとそこは眩しいばかりの近未来ワールド!

うちの小学生たちは、目をキラキラさせながら各々好きなコーナーへと散らばっていきました。

 

用意されていたコーナーは3種類

  • scratch体験
  • ロボホン体験
  • 自作ゲームのプレイ体験

それぞれどんな雰囲気か見ていきましょう。

scratch体験・ロボホン体験

まず目に飛び込んだのは、机の上で歌って踊るロボット「ロボホン」のかわいいパフォーマンス。

ロボットとは思えない軽やかな動きで、出迎えてくれました。

scratchの要領で簡単にプログラミング操作できるので、大人が感心している間に小学生たちはすんなりとロボホンを操り始めました。

ロボホンに「逆立ち」をさせてみた動画がこちら(注:雑音あり)

 

そんなロボホン、教室のあちこちで踊り散らかしていました。

ここが学校ということを、忘れてしまいそうですね。

他にも、scratchが体験できるコーナーもあり、それぞれ小学生の親子連れの方や中学生の方から人気を集めていました。

 

自作ゲームのプレイ体験

部員たち自作のゲームを体験できるということで、早速試してみました。

 

なかでも目をひいたのが、中高生が作ったオリジナルゲームのクオリティの高さ。

2Dアクションゲーム、数独系、3Dゲーム、TRPG風ノベルゲームなど、さまざまな種類の自作ゲームがズラリ。

なんでも、ほぼ独学で学んだプログラミング技術を駆使して、一つ一つ作り上げたというから驚きです。

彼らの自作ゲームは、誰でも無料ダウンロードできます!詳細は以下。

TDJ-SIP2020オリジナルゲーム フリーダウンロード

東大寺学園(TDJ)文化祭の展示作品、8作品をダウンロードして遊ぶことができます。

TDJ-SIP 2020正式版公開中です(もちろん無料)。

(追記:現在は公式ページから歴代の作品がDLできます!)

TDJ-SIP(東大寺学園情報研究部)公式ページ

 

 

東大寺学園情報同好会公式Twitter

ちなみに、「TDJ-SIP」とは「ToDaiJi-Society of Intelligent Processing」つまり「東大寺学園 情報同好会」の略称だそうです。

 

ダウンロード方法(無料)

①リンクにアクセスします。

TDJ-SIP(東大寺学園情報研究部)公式ページ

 

②「ダウンロード」をクリック

③好きなゲームを選んで「ダウンロード」をクリック(容量に注意)。保存されたZIPファイルを展開します。

ゲームの始め方(2020年作を例に)

①launcher.exeを起動します。(ダブルクリック)

②出て来たランチャーの指示に従います。マウス操作でもキーボード操作でも操作可能です。

※Esc、Alt+F4で終了します。

※launcherは「I wanna change the world for TDJ」、「黒屋敷」のみ正常に機能しないため、Play!を押すと出て来るファイルにある、それぞれ「I wanna change the world for TDJ.exe」、「game.exe」を起動(ダブルクリック)してください。

(「お読みください」テキストより抜粋)

 

実況などもOKとのことです。

ぜひ彼らの力作ゲームをお楽しみください。

自作「アイワナ」ゲームのここがスゴい

ゲームメイン画面

TDJ-SIP(情報同好会) 2020正式版では、4つの新作を含めた8作が収録されています。

力作ぞろいのなかでも、今回フォーカスしたい作品は、

「I wanna change the world for TDJ」

元になっているのは、kayin氏によって2007年に開発されたフリーウェアのアクションゲーム「I Wanna Be The Guy (通称「アイワナ」)」。

一見、品があるように見えない(ごめんなさい!)いわゆる「死にゲー」の分類ですが、実際に見ると単なるゲームと軽視できないストーリーとメッセージ性の高さに一種の感動すら覚えました。

まさに、クリエイティブな一作。

ちなみに、制作には45日、約200時間を費やしたのだとか!
(一日平均4.4時間!)

 

特に私が注目した、スゴいポイントはこちら。

ストーリー性がすばらしい
教訓メッセージ性がある
・リアルな時事をネタにしている
オリジナルイラストやキャラに独自性がある
・ゲーマーもうなる緻密で奇抜なアイデア
・心に残るプロローグエピローグ
著作権や協力者への配慮もきちんとされている

 

自作イラストとリアルな時事ネタでググッと惹きこまれたかと思えば、ゲーマーもうなる緻密な工夫や奇抜なアイデアが盛り込まれ、ラストは思わずジーンとくるほどメッセージ性に感動!

見れば見るほど、学生が作ったとは思えないプロ仕様な配慮がふんだんに散りばめられているんです。

 

ただ、普段ゲームをほとんどやらない私、あまりに下手すぎて全然前に進めません(笑

私のようにゲームが苦手な方は、ゲーム実況動画なら手軽に疑似体験できますよ。

あずもる様の動画を引用させていただきました。ありがとうございます。

ストーリー性(ネタばれアリ)

ゲーム画面

主人公のキッド君が、TDJ(東大寺学園)の文化祭「菁々祭(せいせいさい)」に行こうと思ったら・・・
某ウイルスの影響で文化祭は危機に陥っていた!!

突然の天の声により、マスクをつけて某ウイルスと戦うことになったキッド君。

進化系ウイルスの攻撃や「3密」・灼熱の太陽(=熱中症)からうまく逃れ、ワクチンを手に入れるために奮闘する。

熾烈な戦いの末、最後に手に入れた成長の証とは…?

 

壮大な物語を飾るラストシーンには、思いがけず目頭が熱くなりました。

 

教訓やメッセージ性がある

ラストシーンでは、現代社会への作者の純粋なメッセージがこめられています。

それまでの苦難を乗り越えてこその、キレイごとで終わらない言葉の重み。沁みますね…

 

また、随所にプチ教訓も忍ばされています。
例えば、よくあるこんな広告(左下)。

まさかウイルス

突如出てくる「警告」にジャマされました。
よくあるうさん臭いやつですよね。

試しに「今すぐ修理」をクリックしてみると、、、

やばい画面

や、やばい!変な音と共に、文字化け!!??ひぇ~~~焦

 

プチ教訓

と思ったら、こちらが本当に伝えたい「警告」でした(ホッ)。
こういう広告は絶対にクリックしちゃダメですね。

 

リアルな時事ネタ

ゲーム画面03

某ウイルスに始まり、「3密」や「熱中症」「ワクチン」といった注意すべきテーマが、立ち向かう象徴としてゲームにふんだんに盛り込まれています。

さらに、実際に2020年の文化祭は縮小開催となっているので、まさにストーリーもリアルな現状が反映された内容です。

そんな困難な中でも頑張っていこう!という意気込みが、ひしひしと伝わってきます。

オリジナルイラストで独自性を演出

主人公のキッドのイラストは、なんと一つ一つスマホで描いたものなんだそう。

ゲーム中に出てくるキッドにマスクを付けたり、フリー素材のウイルス画像を使ってトラップを作ったり。

かなり細かいところまでこだわって作られているのも、びっくりです。

 

ゲーマーもうなる緻密で奇抜なアイデア

グッドサイン

ゲームに詳しくない私にとっては、簡単なデコボコや動く敵ですら緻密すぎるトラップ。

でも、制作者さんの話やゲーム実況の内容を聞くと、それだけでなくかなり奇抜で独自性の強いアイデアが随所に使われているとか。

実際、ゲーム猛者たちによる実況動画でも、みなさん口をそろえて「よく出来ている」とおっしゃってましたね。

いやはや、こだわり強すぎでしょ。

 

心に残るプロローグとエピローグ

スマホ書きのイラストがスゴイのはもちろんですが、適材適所に使われている音楽や効果音も、盛り上がりに一役かっていますね。

よく見ると、音楽に合わせて画面が切り替わっていたり、ほんとに細やかです。

等身大の中学生が使いそうなセリフや、寒めのギャグ(?)も何気に好きです。

なにより、エンディングでの若く素直な言葉は、腐りかかっている大人には刺さりました(笑)。

 

著作権や協力者への配慮もきちんとされている

ハート

忘れがち、けど大事なのがこの部分。

ちゃんと著作権や引用についても配慮されている点も、感心しっぱなしです。

あまり見られないところですが、添付の「お読みください」にも、きちんとしたフォーマットで引用元の記載がなされています。

なんでも、ゲームの製作にあたって、著作権についてかなり勉強したのだそう

また、エンディングロールで協力者への丁寧な感謝も忘れない。なんか…泣けました。

 

東大寺学園 情報同好会(TDJ-SIP)とは

パソコン

1999年に創設された東大寺学園の「情報同好会」

英語名は「ToDaiJi-Society of Intelligent Processing」、略して「TDJ-SIP」と呼ばれています。

 

20年あまりの歴史を誇りますが、部活の中ではまだまだマイナーで、正式な部ではなく「同好会」として活動しています。

現在、部員は中学生6名、高校生0名。

一見少ないようですが、「幽霊部員」ならぬ「亡霊部員」が多い(本来在籍していないはずの生徒が多数遊びにくる)という不思議な同好会です。

 

普段は、週2回パソコンの並ぶ情報教室に集まり、各々プログラミングをしたり(ゲームをしたり、ゲームをしたり、ゲームをしたり・・・)して、自由に活動しています。

プログラミングで分からないことがあれば、先輩や友達に聞いたりできるのがよいところ。

といっても、基本は自分で調べて一つずつ解決していくそうで、自発的に学ぶ姿勢は勉強にも生かされているようです。

 

現在は高校生は在籍しておらず、Aくん(中3)が中学生ながら部長(会長)として部を取りまとめています。

パソコンの管理やプログラミングだけでなく、画像処理や動画編集、SNSや動画サイトを通じた広報活動にも力を注いでいるとのこと。

 

情報教室には、顧問の先生ご自慢の最新ハイスペックPCがズラリ。

パソコンに興味のある新入生のみなさん、
ぜひこの快適な環境でプログラミング技術を磨いてみませんか。

 

情報同好会の部長Aくんにインタビュー

I wanna change the world for TDJ」の制作者でもある中学3年生の部長ご本人に、いろいろお話をうかがいました。

 

入部のきっかけは?

先輩の作ったゲームを体験して、すごいと思ったからなんとなく。

いつからプログラミングを始めたの?

本格的に始めたのは、中2くらいからです(現在中3なので1年間)。

プログラミングで楽しいことは?

プログラミングで、自分の思い通りに動かせたとき。
作った作品を、他の人が楽しんでくれたときが嬉しい。

難しいこと、悩みごとは?

自宅のPCは親に制限をかけられているので(笑)、思うように使えないのがちょっと不満です。

プログラミングで学べることは?

プログラミングでは、数学や英語の知識も必要なので、自然とそういった勉強も力を入れるようになりました。

今回はとくに、著作権について知る必要性を感じ、本を借りたりネットで調べたりして学びました。

 

また、他人のプライバシーについても気を付けるよう心がけました。

これから入部する新入生に、ひとことお願いします。

根気と創造力のある人はプログラミングに向いていると思います。

 

東大寺学園は、生徒の自主性と個性を大事にする自由な学校です。ぜひ興味のある方は情報同好会に遊びに来てください。

 

来年も、さらにパワーアップしたゲームが期待できそうですね。

詳しくお話を聞かせてくださったAくん、ありがとうございました。

 

まとめ

今回は、東大寺学園情報同好会の活動を実例に、中学生のプログラミング事情を見ていきました。

 

1 「情報同好会」文化祭ブース

2 TDJ-SIP2020オリジナルゲーム フリーダウンロード

3 自作「アイワナ」ゲームのここがスゴい

4 東大寺学園 情報同好会(TDJ-SIP)とは

5 情報同好会の部長Aくんにインタビュー

6 まとめ

 

ともすれば、私たち大人はゲームやパソコンを盲目的に禁止しがちですよね。

でも、いまやプログラミング授業は小学校でも必修化。
子ども達がいだく身近な新技術への興味を、大人が摘み取ることのないようにしたいものですね。

 

今回は、プログラミングが単なるコンピューターを操る言語ではなく、大切で繊細な情報を扱う総合的な社会学習でもあることを、中学生から教えられました。

 

お子さんから「ゲームやりたい」と言われたら、チャンスかも。

親子いっしょに、ゲームから広がる情報世界にアンテナを伸ばしてみませんか?

 

*東大寺学園の「折り紙研究部」のレポートもぜひご覧ください。

 

 

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