ゲームに「勉強の妨げ」「時間泥棒」などネガティブなイメージをお持ちの方、いませんか。
実は、子どもの成長に欠かせない能力を養えるとして、教育者の間でもカードゲームの効果が注目されています。
カードゲームのメリットについては、前回の記事もごらんください。

じゃ、どんなカードゲームが知育に向いているの?
どんなメリットが期待できるの?
そんな疑問をお持ちのあなたに、今回は『戦国みにまる』を題材として、カードゲームを選ぶときに役立つ知育効果として重要なポイント5点について解説します。
『戦国みにまる』について、詳細は公式サイトをごらんください。
知育や脳活を目的とするならば、次のような条件を満たすカードゲームがおすすめです。
(すべてを満たしている必要はありません)
2.【思考型】戦略やかけ引きで、思考力を養えるもの
3.【応変型】「運」も肝、チャンスを見極めるチカラが育つもの
4.【興味づけ】イラストやしかけで記憶と興味にアプローチするもの
5.【動機づけ】好奇心を刺激、深い世界へいざなってくれるもの
これらを意識することで、カードゲームの知育効果を最大限に引き出すためのコツもつかめるはず。
さあ、カードゲームに秘められた脳活パワーと楽しさを目いっぱい享受しましょう。
1:手軽でシンプル、何度も楽しめる無限のパターン
トランプに代表されるカードゲーム。
小さい子でも楽しめて、脳を刺激する安心の玩具として、根強い人気があります。
なんといっても安価で手軽、友達や家族とワイワイ楽しむのにも最適ですよね。
多くのカードゲームは数十枚のカードのみ構成され、電子系ゲームとは違い比較的ルールが単純。誰でもすぐに始めやすいところが利点です。
いろんなパターンの体験を積んでいくうちに、先を見通すチカラや予測力を養えますよ。
そのためにも、手軽に始めやすく何度も遊びたくなることが重要です。
『戦国みにまる』の手軽さと奥深さ
カードゲーム『戦国みにまる』で見てみましょう。
(写真:Shigekiさんご提供)
狙うのは「城(城カードの得点)」。
限られた「戦力(武将カード)」をうまく投入し、敵より多くの城(得点)を手に入れるゲーム。
このように、基本的なルールは分かりやすくシンプル。
小学生低学年くらいのお子さんでも、すぐに始められる手軽さが魅力ですね。
我が家の小学生たちも、説明書を見るやいなや即ゲームをはじめ、1回でほぼルールを飲み込んでいました。

「ルールは、実際にやりながら覚えるといいよ」
(小さい子の場合、最初は発展的なルールは無視してもOK)
そして、ゲームの流れは「あなたの戦略」と「運」しだい。
相手の出方を見ながら、また自分の戦力を吟味しながら、コマをすすめていきます。
『戦国みにまる』でいうと、競争というリスクをとって高得点の城を狙ってもよし、ライバルが少なそうな簡単な城から堅実に攻めていくのもよし。
まるで実際の歴史のように、一手一手が運命の分岐点になって、無数のストーリーが生まれます。
さらに、それぞれのプロセスにおいても、かなり高いレベルの読みあいや戦略をぶつけ合うことができ、何度やっても飽きることがありません。
シンプルなカードゲームだからこそ、場所や時をえらばずに誰でも手軽に楽しめ、繰り返すうちにより複雑な思考力を育てることができますね。
一部のテレビゲームにあるようなプログラム上で遊ぶ受動的なゲームと違い、無限のバリエーションから最善の一手を探り続けることで、脳の活性化と成長がうながされます。
お子さんに「もう一回!」と何度も相手をせがまれることかも(笑)。
脳が成長するチャンスだと思って、ぜひおうちのかたもお付き合いくださいね。
2:奥深い戦略と駆け引きで、思考力をきたえる
カードゲームは、能動的・創造的なあそびです。
基本はシンプルであっても、変革ルールをプラスすることによって「単純✖単純➡複雑」なものとなります。
より発展的・偶発的なルールを投入できると、ゲーム性も増して知育効果もパワーアップ。
たとえば、単純なカードゲームとして有名な『UNO』も、「リバース」や「スキップ」「ドロー2」といった変革カードをタイミングよく使うことで、さらに面白くなりますよね。
(最近では、より変革的で難易度の高い『UNO フリップ』もあるそうです←気になる!)
ルールは単純でも、こうした複雑な思考を要するゲームは、楽しいうえに知育にも効果的でおすすめです。
思考系ゲームは、クイズ王や塾・大学の先生などもその効果に太鼓判を押しています。
ブレーン推薦の人気3ゲームは、こちらの記事で紹介しています。↓
『戦国みにまる』で攻防を疑似体験
『戦国みにまる』の醍醐味も、ここにあるといっても過言ではありません。
それは、シンボルマークと呼ばれる特殊機能を駆使することによって、変革的でトリッキーな攻め方ができる、発展的なルールです。
強いカードと弱いカードが逆転したり、ライバルの攻めを封じ込めたり・・・。
まるで戦国時代に立ち回った僧侶・忍者・姫(政略結婚)・金にものを言わせた調略のように、高度な頭脳戦を疑似体験できます。
ここぞとばかりに出したシンボルマークの効果も、敵のシンボルによって打ち消される場合もあり、まさに戦力・知力・時の運がモノをいう「戦国時代」。
残りの手札からライバルの戦力を予測したり、敵の動きを封じ込めたり、もう頭の中はフル回転です。
慣れないうちは、成り行きまかせで上手くシンボルを使いこなせないかもしれませんが、相手が使っていくのをみるうちに、自分で試したくなってくるはず。
試行錯誤していくうちに、自然と集中力と思考力がついてきます。
敵との腹の探り合いにより他人の戦略を読み、先回りする能力も養えますよ。
ムキになってヒートアップしすぎたら、休憩を入れましょう(笑)。
負ける体験も自分のチカラに変えていこう。
3:「チャンス」を見極めるチカラが育つ
現実社会は、自分ではコントロールできない「運」の要素に満ちあふれています。
実力だけではどうにもならないチャンスを、いかに見極めうまく使いこなせるか。
こんな思考も育てることができるのも、カードゲームの面白さです。
必ずしも強者が勝利するとは限らないので、年長者と初心者(親と子など)でも対等に遊ぶことでき、毎回エキサイティングなゲームとなりますよ。
『戦国みにまる』は「運」と「実力」のバランスが絶妙
『戦国みにまる』でも、いつどんなカード(戦力)が誰の手に渡るのかは「運」次第。
もちろん、好機(欲しいカード)を手が有利に働きますが、貴重なチャンスも絶好のタイミングで生かせなければ、逆効果にさえなります。
綿密な戦略をたてる大人を相手に、真っすぐに攻める子どもやビギナーの方が、案外勝ち残ったりするのもこのゲームの面白いところ。
どんなゲームも、実力か運の一方のみで勝敗が決まるのでは、ゲームとしての面白味に欠けます。
その点『戦国みにまる』は両者のバランスがちょうどよく、ハンデなしでも親子対等にプレイできますよ。
4:コミカルなイラストが記憶と楽しさにアプローチ
(写真:Shigekiさんご提供)
文字を追うだけの受け身の勉強では、理解しにくくなかなか興味もわかないもの。
でも、右脳を刺激するインパクトのあるカラーやデザイン、楽しい「しかけ」などがあると、子どもや勉強ギライな人にも格段に受け入れやすくなりますよね。
なかでも、独特の世界観のあるイラスト・写真・デザインなど、芸術的にも優れているカードは、手に取るだけでも感性が刺激されます。
さらに、情報がつまったデザインなら、遊ぶだけで自然と知識を増やすことができます。
この手の代表的なカードゲームといえば、テーマ別に種類も充実している『かるた』が挙げられます。
遊ぶ度くりかえし目に入るカードは、ぜひ知育に取り入れたいですね。
『戦国みにまる』のイラストに一目惚れ
『戦国みにまる』を手にとると、まず驚くのがイラストのクオリティ。

私がこのゲームに一目ぼれして購入を決めたのも、それがきっかけです
2頭身のずんぐりフォルムとキリっと力強いタッチは、男の子だけでなく女の子のハートもくすぐります。
親世代のみなさんなら、かつて集めたなつかしいお菓子のキャラクターシールを彷彿としたはず。かわいらしさとインパクトはバツグンです。
さらによく見ると、カブトや甲冑・家紋や眼帯といったディテールまでかなり丁寧に描きこまれています。
史実や定説に基づきながら、作者Shigekiさんのイメージやデザインが加わり、とても個性豊かな作品に仕上がっているのが素晴らしいですね。
コミカルで躍動感ある表情は、アニメとして動き出しそうなくらいエネルギッシュで、見る人を笑顔に変えます。
コレクションカード的に飾ってみるのも楽しそうですね。
ちなみに、こちらは作者のShigekiさんがサインペンで手書きをしたうえでデジタル化したという、手間の入れよう。どおりで、なんとも言えない温もりを感じます。
(写真:Shigekiさんご提供)
5:.コアなファンも満足!ディープな知識も満載
ひとつのゲームをきっかけに、新しいことに好奇心を抱いたり、もっと知りたいという知識欲が芽生えたりすることもよくある話。
とくに、子どもの好奇心は次々と広がって、数珠つなぎに世界が広がっていくものなので、そのきっかけは大事にしたいものですね。
手軽に遊べるカードゲームは、そんな動機付けにもピッタリです。
もし好きな分野からゲームを選ぶなら、「ちょっとむずかしい内容」のものにチャレンジするのも良いですね。
「これどういう意味?」「どうやって考えたらいい?」と調べたり悩んだりすることで、次のフェーズへと導いてくれます。
『戦国みにまる』は内容もディープ
『戦国みにまる』(甲相駿編)では、有名な戦国大名である甲斐の「武田氏」、駿河の「今川氏」、相模の「北条氏」の3家の武将たちが登場します。
「武田信玄」をはじめ、カードにある武将や城郭の名前は実在(伝説含む)の人物をモチーフにしています。
しかも、子ども向けゲームによくある広く媚びを売るような浅いラインナップではなく、歴史ファンの期待も裏切らない、充実した顔ぞろえ。
恥ずかしながら、「歴女」を自称するわたしでも知らないマイナー武将が満載です。
もちろん知識がない人でも楽しめますが、戦国時代に詳しいコアなファンをも十分に満足させる深い内容となっています。
わたしが最初に苦戦したのは、「武田四家臣」「山家三方衆」「北条五色備」という特殊ルールでハイパワーとなる武将の組み合わせ。どの武将がグループに入るのか覚えていないので、説明書をチラチラ確認しながらやっていました。でも、興味をもって調べたり何度か遊んでいくうちに、自然と武将の知識を蓄えていくことができます。
さらに、家紋やシンボルマークもちゃんと史実に基づいた使われ方をされていて、「戦国」の世界観に華を添えています。もちろん、子どもはあっという間にそれらを覚えていきました。

「これって、どんな姫?なにした武将?」
気になるカードの人物を調べるうちに、なじみの薄かった関東武将にもかなり詳しくなってきました。
ちなみに、史実を知れば知るほど

「そういう意味も込められていたのか。よくできてるなぁ」
と感心することも多々。どんどん深みにハマります。
こうした、歴史好きキッズやパパも思わずうなるマニアックさも、『戦国みにまる』の魅力でしょう。
歴史をあまり知らない人には歴史入門として、知っている人にはよりディープな歴史の沼へ。史実とからめると『戦国みにまる』の深みにどんどんハマっていきます。
知る楽しさと、知るたびに倍増していくゲームの楽しさ。このポジティブループで知的好奇心も育ちます。
近い将来、『戦国みにまる』ファンから、未来の歴史学者が誕生するかもしれませんね。
『戦国みにまる』作者にインタビュー
『戦国みにまる』作者のShigekiさんは、根っからの歴史ファンなのだそう。
ディープな歴史ゲーム誕生へのこだわりをうかがってみました。

歴史がお好きということですが、好きな武将は?

一人に絞るのは難しいのですが、有名どころでは「上杉謙信」ですね。
ミステリアスな部分が多いところに魅了されます。
マイナーどころでは「小田氏治」。
戦国最弱武将というレッテルを貼られていますが、魅力的で面白い武将だなと思います。

どちらも、エピソードだけ聞くと、漫画や小説やドラマなど空想の中の人物と思えてしまうくらいの存在なので、面白いです。
過酷な戦国時代にもそういう生き方をした人物がいたんだなと思うと、戦国の魅力も増すと思います。
そんな「好き」の気持ちがゲームにも表れているから、こんなに惹きこまれるわけですね。

制作において、こだわったポイントを教えてください。

こだわったのは、ゲームとしての「手軽さと奥深さ」です。
気軽にご家族やご友人と遊んでいただきたいというコンセプトのもと制作しました。
私は3人の娘がおりますが、やはり家族でカードゲームをワイワイ遊ぶのは楽しく、そういうきっかけを与えるようなゲームを作りたいと思っています。

どんな方に楽しんでもらいたいですか?

基本ルールもいたって簡単で、対象年齢も幅広く想定しています。
コミカルな武将イラストも相まって戦国時代にあまり興味がない方でもライトな感覚で入り込んでいただけるのではないかと思っています。
(武将イラストがコミカルなちびキャラなのは私の完全な趣向ですw)
また、コアな戦国ファンの方にも納得していただけるような奥深さも併せ持つように設計しました。

このゲームの一番の面白さはどこにありますか?

各武将は12種類のシンボルマークのうち一つを必ず持っており、これらを駆使することによって戦国時代の駆け引きの醍醐味を味わえるようになっています。
奥深い駆け引きを楽しんでいただければと思います。
コアな方はどっぷり浸かっていただき、ライトな方も戦国武将やカードゲームそのものへの興味へのきっかけになってくれたら嬉しいです。

まさに、今回とりあげた知育ポイント5つが詰め込まれたゲームですね!
とても丁寧で熱のあるご回答、本当にありがとうございました。
まとめ
今回は『戦国みにまる』を題材に、カードゲームの知育効果として重要なポイント5点について、解説しました。
2.【思考型】戦略やかけ引きで、思考力を養えるもの
3.【応変型】「運」も肝、チャンスを見極めるチカラが育つもの
4.【興味づけ】絵やしかけで記憶と興味にアプローチするもの
5.【動機づけ】好奇心を刺激、深い世界へいざなってくれるもの
もちろん、知育という目的以外にも、ストレス解消や家族や友達との楽しいひと時を共有など、メリットはたくさんあります。
今回の記事でご紹介した『戦国みにまる』は、これらのポイントをバランスよく満たす秀逸作品の一つ。
ぜひ、ご家族でお試しください。
尚、『戦国みにまる』についてご購入を希望される方は、公式サイトまたはTwitterまでお問合せください。
(自主制作につき、数に限りがあります)
次回は、実際に遊んでみた感想やわが家流の『戦国みにまる』アレンジ遊びもご紹介する予定です。
小さなカードが生み出す無限の可能性を、あなたも堪能してみませんか?
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