
「話題のチャットGTPってなんだろう」

「AIとか何だか心配だわ」
新聞やTVでも取り上げられることが多くなった「ChatGTP/チャットGTP」、もう試してみましたか?
「自分には関係ない」って思ったあなたも、一度体験するとその便利さ、簡単さ、面白さに衝撃を受けるはず。進化がとまらないAI(人工知能)技術、使った人からドンドン仕事をアップデートさせています。
今回は、ママと子どもが家庭での学習に生かせるChatGTPの3つの具体的な活用法と、使い方のコツをご紹介します。
そして、忘れてはいけない重大な注意点もあります。とくに子どもが使う場合は留意してください。ChatGTPを使うのに向いてる人、向いていない人もいます。うっかり落とし穴にはまらないよう、この記事でしっかりChatGTPのメリット・デメリット、注意点を確認しておきましょう。
まだまだ未知のことも多く賛否両論ある「教育×AI」ですが、先端技術を体感しながら、学びにも活用していきましょう。
結論!親子ですぐ始めようChatGTP
文章作成、翻訳の手伝い、話し相手…etc.
とても便利なChatGTPですが、教育現場における活用については議論の渦中にあります。「学校の宿題をAIにやってもらうと、子どもの学力が伸びない」というのも否定的な意見のひとつ。
歓迎か禁止か、大学や企業でも意見が分かれています。そもそも教育現場の教員にとっても、全く新しいツールだから、対応が追いついていないのは当然です。
しかし、間違いなく今後AI技術との共存は、避けては通れない道。重要なのは、利用に関してポリシーを明確にし、デメリットを踏まえてうまく活用することです。
~テレビやインターネットは子どもに悪影響があるのでは?~
かつて、こんな議論があったのと似ています。うまく使いこなせれば、これほど学習の強い味方はありません。敬遠するのではなく、まずは注意点を学んであなた自身の手で使ってみましょう。
ChatGTPとは? 活用法やメリットについて
ここでは「そもそもChatGTPって何?」というママ向けに、やさしく解説します。逆に、専門的な内容や高度すぎる活用法はこの記事では触れません。いますぐおうちのパソコンで試してみるのが目標です。
アルファベットや横文字がたくさん出てきますが、用語は覚える必要ありませんので、ご安心を。
ChatGTP(チャットGPT)とは
ChatGTP(チャット・ジー・ティー・ピー)とは、OpenAI(オープン・エー・アイ)というアメリカの企業が開発した「対話型のAI(人口知能)」です。まるで人間と会話しているような自然な文章で対話ができ、英語だけでなく日本語など多言語に対応しています。
2022年11月に公開されてから、わずか2か月でユーザーは世界で1億人に達しました。日本でもすでに多くの教育現場(大学、小学校など)で教員・学生が使い始めています。
GTP-3.5を利用できる無料版と、高性能なGTP-4を搭載した有料版(ChatGPT Plus)があります。無料版でもそれなりに活用できるので、試してみるならGTP-3.5から始めるとよいでしょう。
ChatGTPの活用!こんなことに使えます
たくさんのユーザーが独自のChatGTP活用法をSNSで公開しています。教育・学習における活用法の中でも、代表的なものをいくつかご紹介します。(具体的な活用例は、記事の後半で)
ChatGTPの注意点|使う前にこれだけは知っておこう!
他のツールと同じく、ChatGPTも扱い方によっては諸刃の剣になり得ます。まだ導入が始まったばかりなので、とくに教育現場での活用は賛否両論あります。しかし、将来的にAIとの共存は避けては通れないことは明白。今のうちからAIの利点と欠点を理解して、うまく活用することが重要です。
子どもと使うなら、かならずサポートを
便利で楽しいChatGTPですが、小さい子ども(~12歳ごろまで)に好き勝手に使わせるのはやめた方がよいでしょう。そもそもChatGTPの登録は13歳以上(18歳未満は保護者の承認が必要)と定められており、分別のつかない小さい子どもが一人で使うことは想定されていません。うっかり重要な情報が流出したり、子どもが誤情報を信じてしまったり、そんな危険にさらされたくはありませんよね。もしママが子どもといっしょに教育や遊びで使う場合は、後述の注意点に留意して必ずサポートしてあげましょう。
小さい子に限りませんが、ChatGPTを学びに活用するのが向いている人、向いていない人がいます。
ChatGTPをうまく活用できる人
ChatGTPを使わない方がよい人
次は、賛否の論点になっているデメリットや注意点について確認しましょう。
ChatGPTの「欠点」&「注意点」
【注意】個人情報、機密情報の入力はダメ
ついAIが相手だと安心して何でも書きこんでしまいがちですが、個人情報や機密情報の入力はご法度です。チャット内容はOpenAIによって利用されることがあるため、使用が禁止されている企業があるほど。
いつどのように、あなたの情報が利用されてしまうかわかりません。悪意はなくても、だれかのモニターにあなたの入力情報が映し出されてしまう可能性もあります。思わぬトラブルを招かないためにも、入力内容には気を付けましょう。
【欠点①】ハルシネーション(幻想)=ウソに注意!
ChatGPTは、現時点では調べ学習にはおススメできません。
通常、ChatGPTはあなたの質問(プロンプト)に対して、とても分かりやすい文章で回答してくれます。しかし、公式に注意書きがあるように、「ホントらしいウソ」を真実に混ぜてくることが多々あります(ハルシネーションと呼ばれています)。あまりに丁寧に堂々と回答されるので、知識のない分野だとウソかホントか見分けるのは困難。子どもなら、簡単にウソを信じてしまうでしょう。
(例)国民的アニメ『サザエさん』に関する質問をしてみました。(GTP-3.5利用)
えっと、、、タラちゃんて「中学生」でしたっけ?
フジテレビ公式サイトによるとタラちゃんは「3歳」という設定です(もしかしたら10年後の未来を見据えての回答かもw)。「やんちゃな性格」というのも、少し違う気がします。むしろ「タラちゃん」ではなく「カツオ」の印象なので、どうやら情報が混同しているようです。
このように、現状では「ホント」のなかにサラリと「ウソ」を混ぜてくるのがChatGTPの特徴です。
同じ質問に対しても違う回答が出たり(学習やゆらぎのプログラムによる)、質問方法を工夫すると修正されたりするので(記事の後半でコツを教えます)、いろいろ試してみるのもおもしろいでしょう。
情報過多の時代ですから、ハルシネーションを逆手にとって、情報を吟味する目を養うのも教育のひとつです。
【欠点②】最新情報に対応していない(改善中)
ChatGPTは最新情報に対応していないという弱点があります(読み込むデータが原則2021年9月までに限られていたため)。
しかし、すでに検索エンジンとの連携もはじめており、近いうちに無料版でも最新情報を反映できるようになるとのこと。拡張プラグインも続々登場し、日を追うごとに機能が向上しているので、今後改善が期待できそうです。
【欠点③】ソース(出典)を提示してくれない
情報の信頼性にもかかわるソース(情報源、出典)を提示してくれないので、参照できず真偽を確認するのがむずかしい。
(ただし、GTP-4では出典URLを提示することもある。また、BingAIなど情報源を提示するものもある)
回答があやしいなと思ったら、信頼できるサイトで確認したり、辞典や書籍で調べることが大事です。
【問題点】AIの生成物なのかどうか、判別方法がない
人間が書いた文章なのか、AIが書いたものなのか。
現状、両者をきちんと区別する方法はありません。判別アプリもありますが、全く使えたもんじゃないとか(人間が書いてもAI作の疑い、またはその逆、と判定される)。
将来的に、単にAIに任せられるような宿題や試験は、どんどん無くなっていくかもしれませんね。代わりに、次世代の課題はさらに高度で柔軟な能力を問われるものに変化すると思われます。
いずれにしても、AIが教育業界に大きな影響を与えることは明らかです。
【結論】主役は「あなた」ということを忘れずに
ここまで、ChatGTPの欠点や注意点を挙げました。
ChatGTPは、上手につかえば学習のきっかけやヒントとして大いに活用できます。あくまで妄信せず、自分で確認・深堀りして修正してこそ、あなたにとって大きな成果となります。
AIの回答は、多くのデータからはじき出されるため、当たり障りのないクセのない回答となることが大半。個性のあるトガった回答は、やはり人間に仕事といえるでしょう。
文章作成、翻訳、相談。ChatGTPはきっかけ作りやアドバイザーと位置づけ、かならず人間が情報の取捨選択、文章の加筆を行いましょう。あなたの良さは、あなたからしか出せません。主体性を見失わないように。
【よくある誤解】「使えない」とあきらめる前に
主にデメリットや注意点ついて話してきましたが、よくある誤解もあります。デメリットではなく、やり方次第で改善できることもあるので、「使えない」と言う前に次の対策にトライしてみてください。
英語じゃないとダメ?→日本語OK

日本語もちゃんと使える?
ChatGPTのデフォルトは英語ですが、100ヶ国語以上の多言語に対応しています。もちろん日本語もOKで、普段つかっている自然な文体で対話できます。たとえば、「続きは?」のような言葉足らずな表現でも理解してくれます。
精度は英語がいちばん高いとはいえ、日本語も不便を感じることはほぼありません。ただし、仕事に活用するなら、より精度の高いGPT-4をおススメします。
思ったような回答が出ない→プロンプトのコツ

ChatGPTって、思ったような回答を出してくれない
ChatGPTの回答が意図したものとズレていたり、トンチンカンだったりすることがあります。そんなときは、質問(プロンプト/指示出し)を工夫することで、より良い回答を得ることができます。いわゆる「コツ」で、そのテクニック「プロンプトエンジニアリング」そのものが注目されるほど、重要視されています。
(具体的にどんな工夫をしたらよいかは、「プロンプトエンジニアリング」へ)
また、回答の精度においてもGTP-3.5よりGPT-4の方が圧倒的に優れていす。
ChatGTPユーザー登録方法|無料&5分でOK
はじめての方のために、登録の手順を紹介します。
「もう登録できてるよ」という方は飛ばしてください(→次項「プロンプトエンジニアリング」へ)
ChatGTP|ユーザー登録の方法

1.ChatGTP公式ページ右上「Sign Up」をクリック
2.メールアドレス入力
3.パスワード入力
4.メールを確認
5.名前を入力
6.電話番号を入力
7.SMSコードを入力
8.登録完了→詳しい登録方法は、こちらのサイトが分かりやすいです

(注意)デフォルト画面は英語で表示されるため、読めない人は翻訳サイトなどで和訳して確認してください。長い文章はありませんので、表示される注意点に必ず目を通しておくことをおすすめします。
さあ、準備は整いました。
さっそく話しかけて会話を楽しんでみましょう。
ChatGTPを使う3つのコツ【プロンプトエンジニアリング】
入力する指示出し/質問のことをプロンプトと呼びます。プロンプトは丁寧な言葉でなくても大丈夫。箇条書きでもOKです。
ただし、あまりに漠然としたプロンプトだと、期待通りの回答とズレたものが返ってくることがあります。では、どんなプロンプトを書けばよいのでしょうか。
今まさに注目されているのが、より良い回答を得るための「プロンプトエンジニアリング」と呼ばれるスキルです。具体的なプロンプトのアイデアはたくさんありますが、とりあえず次の3つのポイントを押さえてください。
(例)「私は中学2年生ですが~」「目的は~」「回答例は〇〇」
一般的な質問には一般的な答えしか返ってきません。前提条件や背景を具体的に詳しく伝えると、回答もあなたの期待に近づきます。出してほしい出力の回答例を加えるのもおススメです。
(例)「あなたは優しい家庭教師です」「小学生でもわかるように」
「5つ挙げて」「日本以外で」「箇条書きで」
どのような口調や形式(表なのか、リストなのか)で回答してほしいか具体的に伝えると、それに合わせて出力してくれます。ChatGPTに〇〇役を演じてもらったり、情報源の範囲を指定したり、「~して/しないで」を細かくリクエストできます。
(例)「さらに人数も加えて」「もう少し易しい表現で」
「聞くことがあれば私に質問してください」
一度でカンペキな回答が返ってこなくても大丈夫です。ChatGTPからの回答に対してさらに指示出しをすることによって、より理想に近い回答に近づいていきます。精度の高い回答になるよう、事前に質問してくるように指示しておくと、ChatGPTの方から必要な情報やポイントを引き出してくれます。試行錯誤しながら、対話を繰り返しましょう。
家庭でできる!ChatGTPを学習に生かす具体的な3つの活用法
家庭学習で役立つ「ChatGPTのおススメ活用法」3つをご紹介します。
お子さんのリクエストに応じて、パパ・ママがAIを助手にオリジナル教材を作るのもよし、お子さんと一緒にAI先生に教わる生徒役に徹するのもよし。たとえAI先生がおかしな回答を出しても、親子で笑ってツッコミを入れるくらいの気持ちで、楽しくやるのが一番のコツです。
①AI家庭教師「子どもの能力を引き出す」先生
対話をしながら、子どもの興味や考えを引き出し、ヒントを与えてくれるように指示してもらうことができます。
重要なのは、あくまで教えてもらうのはヒントだけにして、決してChatGPTに作文そのものもを書いてもらわないことです。もし作文例を提示されてしまった場合も、参考にとどめるようにしましょう。
ほかにも、やる気の出ない子に「励まし」をお願いしたり、AIに好きなキャラクターを演じてもらって対話してもらうのもおもしろいでしょう。
【状況】

「将来の夢」という作文を書きたいけど、全く手が動かない
【プロンプト例】
【状況】私は「将来の夢」という作文を書きたいが、何から始めればよいかわからない。
【タスク】私に質問して必要な情報を引き出してほしい。締めの言葉まで誘導してほしい。
【ルール】作文を書くのは私であり、ChatGPTではない。提示するのは作文のヒントだけにして、作文そのものは書かないでほしい。
回答例(GTP-3.5)
ざっくりではありますが、手が動かない子にとってはありがたい「考えるヒント」を提示してくれました。
ちなみに、設定を「小学5年生」から他の学年に変更すると、回答も年齢に合わせて少し変化します。
こちら(↓)は、Twitterでバズっていたうめさん(@ume_nanminchamp)の「作文AI家庭教師」の神プロンプト例(GTP-4用)。GTP-4は細かいリクエストにも丁寧に対応していて、飛躍的に充実した対話になっているのが分かります。(なによりお嬢さんに対するパパの愛に脱帽です!)
作文AI家庭教師プロンプト公開します。ChatGPT4.0で動かすことを前提にしています。… https://t.co/1LtK9PU62E
— うめ (@ume_nanminchamp) April 6, 2023
②自分だけのオリジナル教材を作ってくれる
なかなか勉強に興味を持ってくれないお子さんに、好きなアニメキャラクターや趣味とからめたオリジナル教材を作ってもらうことができます。難しい概念を身近な例で説明してもらったり、苦手な英単語を組み込んだオリジナル物語をリクエストするのも楽しいです。
【状況】

理科で習った「細胞内オルガネラ」が覚えられない
【プロンプト例】
回答例(GTP-3.5)
ちょっと強引な感じは否めませんが(笑)、オルガネラの機能をピカチュウの言葉として「~なんだね!」とまとめているのがいいですね。
今回は内容に明確なハルシネーションは見られませんでしたが、教材として使う場合は、教科書などで間違いがないか確認することを忘れずに。
(東京大学大学院工学系研究科吉田先生のアイデアを参考にしています。)
③自分のニーズにぴったりの問題づくり
苦手な分野はひとそれぞれ。自分にピッタリの問題って、見つけるのが困難です。そんなときは、AIに自分の苦手な言葉(英単語、漢字など)専用の問題集を作ってもらうことができます。
【状況】

徳川家康について問題を作ってほしいな
【プロンプト例】
例
問題文:織田信長は、1.___時代の武将で、2.___をスローガンに掲げ、3.___など商業にも力を入れました。しかし、4.___によって本能寺の変で討たれました。
正答:1.室町 2.天下布武 3.楽市楽座 4.明智光秀
回答例(GTP-3.5)
(*3.「一国一城令」は、徳川家康が立案したものの、発令したは徳川秀忠なので、問題は適切ではないです)
これは一発で出てきた回答ではなく、何度か「4は別のものにして」と訂正を重ねて、ようやくまともな問題になったもの。それでもまだ不完全なところがあるので、やはり「ほんとかな?」と自分で調べることが重要です。
情報の評価こそがAIを利用するときの重要なスキルでもあるので、親子で「これヘンだよね」とツッコミながら深掘りして、同時に情報の扱い方にも慣れてもらえればと思います。
まとめ
ChatGPTを起点に始まったAI革命の波がついに押し寄せてきました。このAI革命の波を最大限に活用できるように、この記事を参考にしてください。
・使用に関して賛否両論あるが、AI技術との共存は今後避けて通れない
・便利に使えば、仕事だけでなく学びにも活用できる
・使用には注意点も多く、小さい子どもが使うには留意すべし
・あくまで人間が主役、AIは補助的なものととらえるべき
・活用法のアイデアは無限にあるので、まずは使って試してみて
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