子どもの脳力を磨ける遊びとして、いま再びカードゲームに熱い視線が注がれています。
今回はそんなカードゲームを自分で作ってしまったというスゴイお父さんと、その作品『戦国みにまる』について、製作という行動にフォーカスをあてて鼻息荒くレポートいたします。
カードゲーム最大のメリットは、子どもにとって欠かせないたくさんの能力を遊びながら育めること。
今話題の「STEAM教育」で得られるさまざまな効果を、楽しく自然に身に着けることができます。
- 予測力
- 判断力
- 集中力
- 計画性
- 豊かな芸術性
- 多角的な思考力
- コミュニケーション能力
楽しいうえに、良いことづくしのカードゲーム。親子でやらない手はないですが、まさかそれをお父さんの手で作って世に出してしまうとは…。
今回のインタビューを聞くと、カードゲームの「奥深さ」を感じていただけると共に、「自分でもカードゲームを作ってみたい!」と思うかもしれませんよ。
今回のインタビューから浮彫になったのは、「製作活動に必要な3つのこと」。
- 好きであること
- 多くの失敗・成功経験
- 周囲の理解とエール
これらは、他のどんな行動においても重要となることばかり。
「好き」と「経験」がモチベーション維持や困難克服に必須なのはいわずもがなですが、
3つめの「周囲の理解とエール」も、自分の行動次第で得ることができる大きな外的原動力となります。
カードゲーム『戦国みにまる』の誕生にいたった経緯を作者Shigekiさんご本人にうかがい、その魅力を探っていきましょう。
カードゲーム『戦国みにまる』誕生までの道のり
『戦国みにまる』は、戦国武将をテーマに城をめぐる攻防を楽しめる戦略系カードゲームです。
驚くことに、個人であるShigekiさんが起草から製作・発送まですべて一人で手掛けています。
自主製作とは思えない高いクオリティがTwitterで話題になり、2020年クラウドファンディングを通して多くの方に親しまれるようになりました。
私も『戦国みにまる』を一目見て心を奪われたファンの一人です。
↓遊び方に関しては、公式サイトをごらんください。
↓ご購入相談・お問合せは、制作者ShigekiさんのTwitterまで。
2018年ごろ~ | 起草、イラストを公開し反響を受ける |
2020.7.17 | クラウドファンディング開始 |
2020.7.22 | 攻城団さんサイトにインタビュー記事を掲載される |
2020.8.18 | クラウドファンディング目標額達成 |
2020.8.28 | 印刷業者へ依頼 |
2020.9.7 | クラウドファンディング終了 |
2020.9.1 | LINEスタンプ販売開始 |
2020.9.20 | グッズ販売開始 |
2020.9.21 | Twitterにて第二弾「江州越州編」武将イラスト(浅井家)を公開 |
2020.9.23 | 公式サイト公開 |
2020.10.17 | 甲相駿編用BGM「三国同盟の誓い」をYoutubeへアップ |
2020.10.18 | ネットワークプリントサービスに登録 |
(参考:公式サイト)
製作のきっかけは「好き」と「経験」
今回は、作者Shigekiさんに『戦国みにまる』誕生に至るまでのお話をうかがいました。
『戦国みにまる』を親子で楽しませていただきました。
最初は「シンボルマークの理解がむずかしそう」って思いましたが、
子どもたちもすぐにルールを飲み込みました。
そこが醍醐味で、やればやるほどいろんな戦略がたてられるようになり、何度もやりたくなる中毒性がありますね!
なんといっても、かわいいイラストが最高にステキで、
お気に入りのゲームとなりました♪
ところで、このゲームをつくろうと思ったきっかけはなんですか?
戦国時代をモチーフにしたゲームをずっと作りたいと思っていました。
初めはデジタルで制作しようと考えていたのですが、実際個人で作ると大変で、開発にプランニング、プログラム、グラフィック、サウンドと人員とコストがかかります。
会社にプロジェクトとして企画起案するのもハードルが高い。
そう考えた時に、ある時アナログボードゲームの昨今の賑わいに目を向けまして、これなら一人で開発することができるのではないか、と思ったのがきっかけです。
また、Twitterでコミカルテイストの戦国武将イラストを度々アップしていたのですが思った以上に好評でしたので、自分でイラスト描こうかなと調子に乗ってしまったのもきっかけですw
※2年前のイラストを今見ると、とても見れたものではないと思ってしまいますが。。。
たしかに、Shigekiさんのイラストは親しみやすくて、
私も一目でファンになってしました。
アナログゲームといっても、かなり大変だったとお察しします。
起草から完成までどれくらいかかりましたか?
2年くらいかかったと思います。
最初は市販のトランプにシールを貼って試作品を作りまして、家族で何度もプレイしてルールを煮詰めていき、同時並行してイラストをブラッシュアップしていきました。
どちらも初めての経験でしたので試行錯誤しながら時間がかかっていたと思います。
2年ですか!
ご家族といっしょに作り上げていったなんて、素敵ですね。
普段のお仕事はどんなことをされているのですか?
ゲーム業界で18年程働いています。主にサウンド関連の仕事をしていまして、ゲームで使用する楽曲や効果音の制作やディレクションを行なっています。
『戦国みにまる』づくりに生かされたご経験(お仕事、趣味など)があれば教えてください。
周囲の支えで困難を乗り越えられた
作るうえで楽しかった点は、どんなところですか?
やはり、限られた枠の中でどの武将を登場させて、史実を元にどのようなイラストでどの特性を持たせようかと考えている時が一番楽しいですね。
基本的に制作している時ではなく、妄想している時が一番楽しいですw
また、そこから生まれたキャラクターやゲームのルールが、Twitter上で皆さんから共感を得られた時は嬉しいですね。
逆に、苦労された点はどんなことですか?
ゲームのルールのバランスを整えていくところが大変でした。
何度も数字やシンボルのバランスを変更しました。
また、イラストはまだまだ苦手で素人で、一枚一枚武将を納得いくレベルまで描いていくのが非常に大変でした。
このゲームは、シンボルを使ったルールが本当に面白いですよね。
イラストも一つ一つていねいに作られていて、洗練されたデザインもお見事です。
大変なことも多いなか、完成まで背中を押してくれたものがあれば教えてください。
これはひとえにTwitterの皆さんのおかげです。熱烈なご支援と暖かいお言葉を沢山いただきました。
これがなかったら戦国みにまるは試作版の段階で私が満足してしまい、ここまでチャレンジしていませんでした。
日々の皆さんとのやりとりが、自分の次へのステップや制作意欲とつながっていきましたし、
現在までのYoutube、ホームページやグッズ制作、LINEスタンプなどの展開は無かったと思っています。
また妻や子供達も背中を押してくれていました。ゲーム試作から梱包に至るまでいろいろ手伝ってくれたので感謝しています。
なるほど、多くの方の応援があったからこそ、これほど温もりのあるゲームが完成したのですね。
やっぱり、周囲の方の声の力は大きい!
行動していくうちに、周囲も変化する
ご家族の反応(応援)はどんなかんじでしたか?
妻に関しては、いろいろ変化がありました。
趣味の範囲で私が制作していた頃は何も言わなかったのですが、クラウドファンディング以降、異常なほどにめり込んで行った私に対して、最初は体を心配していましたね。
それから途中からは呆れ果て閉口したりw、それでも最後は色々手伝ってくれました。
スケジュール、費用計算、発注、印刷から梱包、発送まで二人三脚でやってきました。
私も一人の妻として、奥様のお気持ちとってもよくわかりますw
ご主人のことを静かに見守ってくれたり、自然と手伝ってくれたり・・・。
まさに製作の戦国時代をともに切り抜けた同志ですね。
梱包する写真には、かわいらしいお嬢さんたちも写っていますが?
娘たちは『戦国みにまる』を気に入ってくれていて、試作段階から何度も遊んでくれていますし、彼女達の意見を取り入れています。
ただし誰も歴女ではないのが寂しいですw
家族には本当に感謝しています。
お嬢さんたちも、ずっとお父さんの活動を見てきたわけですから、最高の”共”育になったはずですね。
それにしても、身近でこんなかわいらしいファンが応援してくれたら、心強さこの上なし。
周りの人やSNSの反応・反響はいかがでしたか?
嬉しかったことは、製品が届いた!とTwitterでつぶやいてくれていることと、中にはボードゲームでプロでご活躍されている方々からのご意見や評価をいただけたことです。
また「第二弾やそれ以降のシリーズ化にも期待している」、「古き良き時代のおまけシールのようなテイストのイラストがマッチしている」、
「こんな戦国ゲームを待ち望んでいた」、などメッセージをいただいており、本当に励みになっています。
Twitterで発信し続けていると、見てくれる人からの反応やつながりが生まれて、お互いに高め合えるところが素晴らしいですね。
私が『戦国みにまる』を知ったのもTwitter上でした。
本当にこのご縁に感謝するばかりです。
まとめ
- 好きであること
- 多くの失敗・成功経験
- 周囲の理解とエール
3つ目の「周囲の理解とエール」は、自分の意志でどうこうなるものではありません。
でも、自分の行動次第で、周りの人の見る目も変わっていくことも事実。
新しいことに挑戦するとき、往々にしてすぐ理解されることは少ないものですが、「好き」と「経験」を生かして突き進めていくことで、自然と応援者も増えていくもの。
お仕事のかたわら、ゲームの起草から完成まで成し遂げられたShigekiさんから、行動の秘訣を教わりました。
Shigekiさんの今後のご活躍も見逃せませんね。
次回は続編として、『戦国みにまる』のカードゲームとしての魅力、遊んだ感想などについてレポートしたいと思います。
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